忙しいドクターのための会計税金3分講座医療業界に精通した
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立野 靖人[公認会計士/税理士]
- 昭和56年1月10日生。 兵庫県神戸市出身。
私立甲陽学院中高、神戸大学経営学部を卒業後、大手監査法人勤務を経てジャスト会計事務所設立。
業務で培った貴重な知識や経験を多くの人に伝えたいという思いで、甲南大学の非常勤講師を
務める(現職)。公認会計士登録 第23121号、税理士登録 第115818号。
医院を開業された場合投稿日:2014/02/25
医院を開業された場合、建物や設備等の購入・賃借により、 投資が大きくなる場合が多いかと思います。
こういった金額の大きな投資について、会計上は少し特殊な取り扱いが要求されます。
それが、いわゆる『償却』と呼ばれる会計処理です。
会計上、1年以上の長期に渡って医院で使用するようなもの (例えば、購入した建物や機材)は固定資産として扱われます。
固定資産は購入した当初は資産として計上しますが、 あらかじめ決められた年数をかけて徐々に経費となります。
この処理方法を減価償却と言います。
投資の時点では全額が経費になるわけではありませんので、注意が必要です。
機材などは想像しやすいかと思いますが、それ以外にも、 医師会の入会金や開業準備のための支出のうち、その効果が 開業した年だけでなく翌年以降にも継続するものについては 「繰延資産」として扱われます。
例えば、医師会の入会費などがこれに該当します。
この繰延資産も投資時点で全額を経費にすることはできません。
何年かに渡って少しずつ経費として処理していくことになります。
医院の初期費用は額が大きくなりがちなだけに、 他の企業よりもきちんとした処理が求められる傾向にあります。
該当するものは資産としてしっかり計上しておきましょう。
また、開業時における経費の計算方法についても注意が必要です。
医業においては経費の計算方法として実額計算の他に、 社会保険診療報酬の額に応じて一定の率を乗じて計算する 概算経費という手段もあるということは以前お話しした通りです。
一般的には新規開業時は初期投資が多額になるため、償却という会計処理を考慮しても 実額計算を選択した方が有利になるケースが多いのですが、 事業継承等で建物や設備を譲り受けたような場合には 概算経費を適用した方がお得になることもあります。
もし開業されるにあたって不安な点などありましたら、 是非お気軽にご相談ください。
