忙しいドクターのための会計税金3分講座医療業界に精通した
ジャスト会計事務所の代表者ブログ
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立野 靖人[公認会計士/税理士]
- 昭和56年1月10日生。 兵庫県神戸市出身。
私立甲陽学院中高、神戸大学経営学部を卒業後、大手監査法人勤務を経てジャスト会計事務所設立。
業務で培った貴重な知識や経験を多くの人に伝えたいという思いで、甲南大学の非常勤講師を
務める(現職)。公認会計士登録 第23121号、税理士登録 第115818号。
宿直か通常勤務か投稿日:2014/09/25
病院の性質上、深夜の緊急外来に備えて、 ドクターが宿直をするということはよくあることだと思います。
「宿直や日直の手当のうち、一定金額以下のものは 所得税が非課税」とされているのですが、 この宿直等についてはその定義を誤解されていることが多いようです。
宿直というのは、そもそも色々と制限があるもので、 例えば勤務先が労働基準監督署から許可を受けていないと、 従業員に宿直をさせることは出来ません。
また、許可を得ていたとしても、 その勤務内容が通常の勤務と比べて労働密度が低いこと、 十分な睡眠をとれる環境であること、などの要件を満たしていないと、 宿直ではなく通常勤務と見なされます。
病院の場合だと、せいぜい病棟の見回りや少数の患者の検温など、 医療行為抜きの業務に限られそうですね。
冒頭で挙げたような、急な患者が来たらすぐさま対応しなければならないとか、 患者の容体が急変したら医療行為を行わなければならないことなどが前提の場合、 宿直ではなく通常勤務扱いになります。
通常勤務扱いになった場合何が問題になるかというと、 その際に支給するお金が手当ではなく給与扱いとなり、 課税対象になってしまうため、病院が源泉徴収を行う必要が 出てくるということです。
実際、救急病院での宿直や医師の医療行為を含む宿直について、 非課税の宿直手当としていたところ、 税務調査を受けて給与と見なされその分の源泉所得税と 不納付加算税を追徴課税された、という例もあります。
医業では支払われる金額も大きい分、 かなり痛いペナルティになってしまいます。
気を付けておきたいところですね。
